2011年2月6日日曜日

星の時計のLiddell(リデル)

昨晩、久しぶりにリアルな夢を見てしまったので、この本を












内田善美さんの名作です。
『幽霊になった男の話をしようと思う』という書き出しではじまります。

主人公の青年ヒューはリアルな夢を繰り返し見ていた。
金木犀の香りと共に現れる、ビクトリアン・ハウスに住む少女。
少女はヒューのことを「幽霊さん」と呼び、自分の名を「リ・ド・ル」と名乗る。
ヒューの友人ウラジミールは、彼がその夢をみている時、無呼吸状態で心拍さえも停止することを知り、不安にかられてゆく。
ある日、ヒューは骨董屋で古い1枚の写真に目がとまる。
そこに写っている人物は夢の少女とそっくりだった。
そしてその写真にはLiddellとかかれてあった・・・
夢の少女は実在すると確信したヒューは、ウラジミールと共に彼女を探す旅に出る。

あらすじを書くとこんな感じになっちゃいますが、単純にそのストーリーを描いているだけではありません。ニューエイジサイエンスの影響?をうけつつ、人間の深層心理、進化の行方、存在意味などがウラジミールや様々な登場人物によって語られてゆきます。
他に類を見ないマンガです!

南風も10代のころ、リアルな同じ夢を繰り返し見た経験があります。そこに出てくる家(日本のお屋敷でしたが)の間取りも描けるくらいです。今でも時折、懐かしく思い出すことがあり、もう一度その夢をみたい、会いたいと思うのですが・・・





もっとたくさんの方に読んでもらいたい作品のなのですが、これも絶版です。
原作者の意向なのか(連絡が取れないとの噂も)再版も出来ない状態のようです。

著  者:内田 善美
発行所:株式会社 集英社
1巻:1985年9月10日 第一刷発行
2巻:1985年10月9日 第一刷発行
3巻:1986年10月8日 第一刷発行

2010年4月11日日曜日

星を継ぐもの

月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見。それはほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、年代測定では5万年以上も前に死んでいた。
やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見され・・・
謎が謎をよび、様々な仮説が提示されては、謎が解き明かされ、またもその仮説が崩れ・・・
未来を舞台をするサイエンス・フィクションと考古学とが交錯し、人類進化のミッシングリングの謎にもせまる、わくわく小説。

考古学や進化論などに興味のある方にも是非読んでもらいたいSFです。
続編に『ガミメデの優しい巨人』、『巨人たちの星』と三部作となっており、『巨人たちの星シリーズ』とよばれています。
更に10年の歳月を経て『内なる宇宙』という4部目も発行されている。



この文庫のカバーもいかにも80年代ぽくって大好きです。
映画エイリアンの一場面を思い出しますよね。
今はどんなカバーになってるのかな?

著  者:ジェイムズ・P・ホーガン
役  者:池 央耿
発行所:㈱東京創元社
星を継ぐもの
1980年5月23日初版/1986年8月29日28版
ガニメデの優しい巨人
1981年7月31日初版/1985年7月5日18版
巨人たちの星
1983年5月27日初版/1986年8月29日12版

2010年4月5日月曜日

GRIFFIN & SABINE (不思議な文通 グリフィンとサビーヌ)

全米でベストセラーとなったヴィジュアル小説!

小説といっても、孤独な画家グリフィンと不思議な女性サビーヌとの文通がそのまま本になっているという、不思議な物語です。

中身も、リアルに絵はがきと手紙になってるのです。
特に手紙は封筒がページに貼り付けられていて、その中に便箋が入っているという凝ったつくりです。
原作のイメージを崩さないため、手紙やはがきは英文ですが、日本語版の小冊子が附属しています。
アート本でもあり、絵本でもあり、小説でもありという不思議な本です。
内容を説明すると、面白くなくっちゃうので書けませんが、実は実はのどんでん返しがあります。

続編『サビーヌの日記』、完結編『黄金のとびら』と3部作になっています。






絵と文 :ニック・パントック
訳  者:小梨 直
発行所:河出書房新社
不思議な文通 :1992年10月20日初版発行
サビーヌの日記:1993年 8月31日初版発行
黄金のとびら  :1993年10月31日初版発行

2010年3月31日水曜日

清岡卓行詩集

詩集なんて、あまり読むほうではありませんが・・・
この方の詩が大好きです。

横書きで紹介するのもどうかとは思いますが、
こんな詩です。

夜会の一隅

誘われてつい踊ってしまったから もう
愛のふるえに初めて手を握るよろこびはない。
掌(たなごころ)になお火照る きみの冷たい柔らかさを
しだいに消して行く 遠い国の燃える酒。


この詩を詠むたびに、学生時代のことを思い出します。
『なんであの時、あの人と踊らなかったのだろう。たった一度のチャンスだったのに・・・』って。
わぁ~!こっ恥ずかし!

著  者:清岡卓行
発行所:株式会社思潮社
1968年2月1日第1刷/1984年10月1日第16刷

2010年3月24日水曜日

少年たちの記憶 内田善美 自選複製原画集

お彼岸で生家に帰って、物置状態になっていた部屋を片付けました。
そしたら、こいつが出てきた!
持っていたのを忘れてた!
『草迷宮・草空間』の投稿でプレミアが付いてる話しをしましたが、
じゃあこれは?
中身は完品、帯も、しおりも残ってるぞ!
で、調べてみました。


“まんだらけ”で帯欠、状態Bで6300円だ!
他の古書店でも9800円で売り切れ!
発売価格980円の10倍のプレミア価格になってる!
売る気はもうとうございませんが、何だか嬉しいね・・・

それに、おそらく“ぶーけ”のカラーページだと思われる『内田善美カラーイラスト自選傑作集』も一緒に入っていました。

更に『星の時計のLiddell』のカードまで!

この世の中、こんなの持ってる男子はまずいないと思うな、
自慢、自慢!

って、私の知人にはこんな事を羨ましがってくれる人、誰もいませんけど・・・。


発行所:株式会社 白泉社
昭和54年12月10日 第1刷発行
昭和58年 8月20日 第7刷